重要古文単語315 四訂版　例文音読・入試問題　第一章　ゆくりなし／おぼつかなし／こころもとなし

ただし、今よりは八年(やとせ)ばかり先に、故信友の伴のをぢより、京上りしてかしこにあるほど、ゆくりなく此のふみ見つとて、しかじかと聞こえおこせぬ。

①　幸運にも
②　すぐさま
③　ちらっと
④　思いがけず
⑤　通りすがりに

「かしこにはあり」と聞きてたづぬればうせぬ。えあはず。からうじて、かくれたる所にゆくりもなく去(い)にけり。

①　縁もなく
②　不用意に
③　あてもなく
④　思いがけず

さて二三日にもなりければ、おぼつかなしとて御兄、中将殿を清水へ遣り参らせ給ひけり。

①　とても残念だ
②　気がかりだ
③　信頼できない
④　弱々しい
⑤　不具合だ

「なやましきことのみありつつ、おぼつかなきほどになりにけるを、いかに」などぞある。

①　あなたの様子が気がかりな
②　あなたが信じられない
③　頭が混乱している
④　仕事がうまくいかない
⑤　息子の身分が不安定な

「仲忠は、おぼつかなからず、夜などは参り来なむ。それを御覧ぜば慰ませたまひてむ」など聞こえたまへば、

①　何時とははっきり言えないが
②　あやしいことがないように
③　あなたに会いたいので
④　あなたが不安にならないように

柱もとにゐたまひて、「昨日今日、物忌に侍りつれど、雪のいたく降りはべりつれば、おぼつかなさになむ」と申したまふ。

①　無遠慮に
②　不安定で
③　不審で
④　疎遠で
⑤　心配で

おはしどころなど、さるべきやうにてこそ迎へに来め」とおぼすにも、いとうしろめたうおぼつかなきに、

①　待ち遠しい
②　疑わしい
③　決めがたい
④　不安である

今まで習ひたまはぬ、いと心もとなきことなり。

①　気にくわないこと
②　待ち遠しいこと
③　気がかりなこと
④　よくわからないこと

女、言はむと思ふけしきながら、いらへもせねば、経読みはててと思ふなめりと、いぶせく心もとなく待つほどに、「於此命終、即往安楽世界、阿弥陀仏」といふ所をくり返し再三読みて、やがて寝入るが如くにて、居ながら息絶えにけり。

①　待ち遠しい思いで
②　気味悪く思って
③　様子もわからないで
④　いらいらして
⑤　じっとしていられなくて